ふたつの花園

遥かな異国の花園で
暮らした少女の日
炎に消えた故郷(ふるさと)を
思い出さないままに

記憶の海に沈む
あなたとわたし

新しいあなた みつけるたびに
なくした記憶を思うの

埋められない…埋まらない
たったひとつの距離
あなたの髪に触れるたびに
広がる気がして…

失われた至福の時
静かに降る白雪
眠りについた花園を
癒すように包む

春を呼ぶのはあなた
たったひとりで

別れを告げた 少年の日を
変わる季節に託すように

埋められない…埋まらない
たったひとつの距離
寄り添いたいと願うほどに
広がる気がして…

何も知らずに過ごした
異国の花園にも
わたしの名を呼ぶ あなたの声
いつも届いていたの…

砕け散った宝石は
戻らないけど

輝く未来を 作ると信じたい
ふたりが歩いた 違う歴史(じかん)が 

埋められない…埋まらない
たったひとつの距離
あなたを近くに感じるほどに
広がる気がして…