封じられた少年

子供の頃は 夢に見てた
蜜とベリーで満ちた花園
心をそのまま 言葉にできる
自由な日々を

本当に願いが叶うなんて
想像もできずに

なのに なぜ思うのでしょう?
幸福であれば あるほどに

この日々が夢ならば
消えないでいて…と

実母(はは)の愛を知らず
温もりを知らない子供
封じた心が泣いているの?

だから思うのでしょうか?
ひとりで過ごす 夜には

この日々が夢ならば
消えないでいて…と

銀色の髪の作家と姫君
ふたりのわたしが生きているの
懐かしい童話が 眠る心を
揺り起こしたのね

幸福のなかで忘れかけていた
本当の自分を

なのに なぜ思うのでしょう?
満ち足りた日々を 過ごすほどに

この日々が夢ならば
消えないでいて…と

実父(ちち)の顔を知らず
自由を知らない子供
忘れた心が怯えているの?

だから思うのでしょうか?
愛情の温もり 知るたびに

この日々が夢ならば
消えないでいて…と

過去(うしろ)は決して振り向かないわ
自分の意志で決めた生道(みち)だから
現在(いま)のわたしが在ることに
悔いはないのよ

袋小路にも 希望があると
知っているから

なのに なぜ思うのでしょう?
毎日が確かであるほどに

この日々が夢ならば
消えないでいて…と

本当の家族を知らず
愛情を知らない子供
封じた心が願っているの?

だから思うのでしょうか?
幸福であればあるほどに

この日々が夢ならば
消えないでいて…と