白い聖域

外の世界は 知らないの
余計なものも いらないわ
仄かに光る 白い部屋
わたしをいつも 守ってる

机のペンと 白い紙
世界が生まれる 文字から
わたしは微笑む 満ちたりて
やさしい光に 包まれる…

光に満ちた 白い聖域
いつからいるのか わからない
だけどわかるの これだけは
開けてはならない 扉があること

コンコンコン コンコンコン ドアが鳴る
コンコンコン コンコンコン 待っててね
コンコンコン コンコンコン 言葉の束が
腕いっぱいに 届くのよ

サラサラサラと ペンが走る
サラサラサラと あなたへ
サラサラサラと 感謝の言葉
今日も綴るわ 受け止めて

白い机と 白い椅子
ここで世界が 生まれるの
わたしを守る 白い部屋
外の世界は いらないわ

光に満ちた 白い聖域
ここから出ては いけないの
その心配は いらないわ
終わりの扉に 興味はないのよ

コンコンコン コンコンコン ドアが鳴る
コンコンコン コンコンコン 今行くわ
コンコンコン コンコンコン あなたの言葉
今日も待つのよ メッセージ

サラサラサラと ペンが走る
サラサラサラと あなたへ
サラサラサラと 幸福の言葉
いつも心を ありがとう

いつからかしら?
手紙が来ないの
みんな わたしを忘れたの?

コンコンコン コンコンコン ドアが呼ぶ
コンコンコン コンコンコン 怖いけど
コンコンコン コンコンコン 扉を開けたら
ここは断崖 雪嵐 

サラサラサラと 雪が舞う
サラサラサラと 風に舞う
青灰色(せいかいしょく)の 空に舞えば
偽りの日々が 終わるのよ