常夏の乙女 |
夏草の間(はざま)を舞う 金色の蛍火 魂の半身を探してるのね この世にひとりだけ 残されたこの身も いつかは 誰かに迎えられるの? 迎えてくれたのは 背の高い貴公子 琴の音で心を癒してくれた この人と生きていける そう思えたの 藤襲の衣(きぬ)で競う 華やかな戦も あなたは愛してくれたけれど 都の荒波は 厳しすぎて なにも持たない身では 渡れないの あなたを愛した 心だけを連れて 新しい明日を 探しに行きます せめて忘れないで わたしのことを ひと夏の記憶を 置いていくから 夕顔の白い花が 咲く夏の夕暮れ |