白い宝石の森から


白い石の森 音のない歌
月の光に うかびあがるの
古い言葉の 浄めの韻律
昼と夜との あわいにうかぶ

透明な心と 白い魂
月の光の なかで生まれた
古い言葉で 囁かれたのは
誰も知らない 夢語り

泉水にあらず
雲にあらず
白の移ろい その身に宿す

惑いの夢の 白い霧
透明な雨粒に 溶けないように
羽に封じて 静かに眠る
どこにあるのか 見えない明日が
幻に重なり 静かに踊る 



白い石の森 時のない場所
月の光が やさしく注ぐ
古い言葉が 生まれ変わるの
昼と夜との はざまにゆれて

鏡面にあらず
棉にあらず
白の光を その身に宿す

静かな夜の 白い雪
銀色の夜風に 紛れないよう
花を守って 静かに眠る
宝石のなか 穢れなき夢
幻と重なり 音なく踊る

惑いの夜の 白い月
気高く輝く 無垢の光
結晶のなか 静かに眠る
誰も知らない 見えない明日を
幻に重ねて 静かに眠る